【GW明けのモヤモヤを軽減】弱った「脾」を整え、五月病の重だるさを緩和する「五臓ヨガ」

内臓を養生して心身の健康を保つ「五臓ヨガ」

「五臓ヨガは、東洋医学の考え方とヨガを組み合わせたメソッドです。五臓とは肝・心・脾・肺・腎のことで、気・血・津液を生み出し、全身に巡らせる働きを担っています。気・血・津液は人が生きるために不可欠な基本要素で、東洋医学ではこれらが滞りなく巡ることで健康を維持できると考えられています。

気・血・津液を正常に巡らせるには、「量が充分であり」「システムが維持されていること」が重要で、そのためには五臓のバランスを保つ必要があります。五臓ヨガでは、経穴(ツボ)と経絡(五臓をつなぎ全身に広がる気・血・津液の通り道)を養生するヨガポーズを行い、五臓のバランスを整えて不調の軽減をめざします。

「治療院などでの受動的なケアに加えて、能動的に動くヨガを行うことで体への関心を高め、セルフケアの一つとして五臓ヨガを取り入れてみてください」(藤本聡先生)

 〈気・血・津液とは〉

・気

生きるために必要なエネルギーのこと。大気(呼吸)から得られる「清気」、食べ物から得られる「水穀の気」、親から受け継ぐ「先天の精」で構成。

 ・血

赤い液状で血液と似ていますが機能が異なり、東洋医学では栄養素と捉えています。

 ・津液

血以外の正常な水分(胃液、鼻水、涙など)で、きれいでサラサラの「津」と、ネバネバの「液」に分けられます。

 

心配事を溜め込み、疲れた「脾」をセルフケア

「4月に新生活が始まると、最初は上手くなじめず思い悩むことが増えるものです。気持ちは沈むけど春から夏に向けて外気や体のエネルギーは上昇するため、心身のバランスを崩しやすくなります。東洋医学では五臓と感情は密接な関係にあり、感情が乱れると臓器に負担がかかり不調を引き起こすと考えられています。思い悩む感情が強い場合は脾の機能が低下し、脾と補完関係にある胃の働きも悪くなり食欲が落ちる、元気が出ないといった五月病の症状が現れます。

脾の働きを整えて五月病を緩和するには、脾経を刺激する五臓ヨガのポーズがおすすめです。脾経が通る足の親指の内側、内くるぶし、すね、内腿、腹部にかけて刺激していきましょう。また入浴時に約40度~41度の湯に10分~15分浸かり、体を温めて脾経の巡りを整えるのも効果的。時間がなければ体を洗う間、洗面器に約40度~41度の湯をくるぶしの高さまで張り、足湯を試してみて。脾経の始点となる足元をピンポイントで温めることでも、脾の働きを改善する効果が期待できます」(藤本聡先生)

 五月病を和らげる「五臓ヨガポーズ」

目的と効果:脾経の巡りを良くして脾の働きを正常化。補完関係にある胃も整えて五月病を改善。

 〈やり方〉

1.四つん這いになり、両手は肩の下または肩より少し前へ。骨盤の下に膝をつき、つま先を立て目線は下へ。

2.膝をマットの外側に開き、左右の足裏を合わせる。足の親指、内くるぶし、かかとの内側をマットにつける。膝が辛い人は脚幅を狭くしてもOK。

 NG　

足の親指、内くるぶし、かかとの内側が浮いてしまうと脾経にアプローチできず効果なし。

3.両肘をマットにつけ、2の姿勢をキープして息を吐きながら恥骨もマットに下ろす。肩がすくまないように注意して。

4.両手でこぶしを作り、左右のこぶしを重ねて額をのせる。呼吸を止めず1分キープ。

 〈プロフィール〉

藤本聡先生

鍼灸師、ヨガインストラクター、シンギングボウル、トレーナー、柔道整復師。大阪・心斎橋「B HAPPY美容鍼灸/TRAINING」で鍼灸・美容鍼灸やパーソナルトレーニングのほか、全国スタジオへの出張、インストラクターやセラピスト向けの講座を開講。五臓ヨガクラスは大阪・豊中の「岩塩ヨガスタジオ  四季」で実施。

「B HAPPY美容鍼灸/TRAINING」Instagram：@sa.to.shi.f　@b.happy3104

「岩塩ヨガスタジオ四季」Instagram：@ganenshiki

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。

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