〈老化〉原因は酸化ストレス?管理栄養士が教える、食事でできる老化対策|積極的に摂りたい3つの栄養

酸化ストレスとは?

酸化ストレスとは、細胞が増えすぎた活性酸素によって傷つく状態のことです。鉄に酸素が反応して錆ができるように、酸化ストレスが蓄積される状態を「体のサビ」と表現する場合もあります。

「酸化反応」は呼吸で取り入れた酸素を使って食べ物からエネルギーを取り出す、つまり生きるために大事な反応です。また「活性酸素」も悪者に捉えがちですが、免疫機能という重要なはたらきももっています。しかし、体内で活性酸素が過剰になり、酸化ストレスが増えてしまうと「老化」を促進してしまいます。酸化ストレスは紫外線などの環境要因もありますが、食事や運動、睡眠といった日常の過ごし方も影響します。

抗酸化物質について

酸化を防止するはたらきが「抗酸化」です。「抗酸化」はからだに元々備わった力もありますが、からだの外から食事によって補給できる「抗酸化物質」もあります。代表的なものが次の成分です。

ビタミンACE

抗酸化作用をもつビタミンA・C・Eを合わせて「ビタミンエース」と呼びます。これらは免疫を保持し、皮膚の健康をサポートします。1つの栄養素のみを摂るのではなく、ビタミンACEを一緒に摂ることで、より抗酸化パワーを発揮します。よってそれらを全て含む緑黄色野菜は、最適な食べ物といえます。

ポリフェノール

ポリフェノールは植物の色や苦味などを呈する化合物の総称です。代表的なものにお茶のカテキン、大豆のイソフラボン、そばのルチン、ブルーベリーのアントシアニンなどがあります。しかしポリフェノールの摂取を目的として、特定のポリフェノールを含有する食品をひたすら食べるのは避けましょう。ポリフェノールに分類される成分はそれぞれ期待できる効果が異なるため、さまざまな食材を組み合わせて食べることが大切です。

カロテノイド

カロテノイドは、おもにカロテン類とキサントフィル類です。カロテン類はαカロテン、βカロテン、βクリプトキサンチンなどであり、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。なかでもβカロテンが一番効率よくビタミンAに変換されるといわれています。また、トマトのリコピンもカロテン類です。

キサントフィル類は葉物野菜に多いルテイン、えび・かにの殻の色素であるアスタキサンチンなどがあります。

アンチエイジングとエイジングケアの違いとは?

最近はアンチエイジングと共に、エイジングケアという文言もよく見聞きするようになりました。アンチエイジングは「老化に抗う」、エイジングケアは「年齢に応じたお手入れをする」という意味です。化粧品や健康食品の広告において「アンチエイジング」は薬機法違反となる一方で、「エイジングケア」はOKとなっています。

加齢によって抗酸化能力は低下していきます。しかし適度な運動、睡眠、バランスのよい食事といった生活習慣を整えることは酸化ストレスを減らす確実な方法であり、どなたにもできるエイジングケアといえるでしょう。

まとめ

本記事では、老化の原因のひとつである酸化ストレスと、食事でできるエイジングケアについて解説しました。さまざまな食材を組み合わせることで、食べ物がもつ抗酸化パワーを活用しましょう。

〈参考文献〉

・厚生労働省|e-ヘルスネット|活性酸素と酸化ストレス

・厚生労働省|e-ヘルスネット|抗酸化物質

・厚生労働省|e-ヘルスネット|カロテノイド

・文部科学省 | 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

栗城智子

大学卒業後、食品メーカーにて商品開発や品質保証の業務に従事し、管理栄養士を取得。特定保健指導やドラッグストア勤務において、人々の食事や健康、サプリメントに関する悩みに寄り添う。上記資格のほかフードスペシャリスト、離乳食・妊産婦食アドバイザー、日本化粧品検定1級、アロマテラピーアドバイザーなどの資格を保有。食と健康について学びを続けている。現在は子育てをしながら管理栄養士ライターとして執筆や商品監修に携わる。

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