〈更年期〉人と比べてしんどくなるときに|更年期に起きやすい「思考のクセ」との付き合い方

ふとした瞬間に、人と比べてしまうことがあります。

SNSで誰かの投稿を見たとき。

職場で周りの様子を感じたとき。

あるいは、身近なコミュニティの中で。

「みんな元気に動けているのに、自分はできていない」

「あの人はうまくいっているのに、私は…」

そんなふうに感じて、気持ちが沈んでしまう。

そして最後は、「こんなふうに思ってしまう自分がダメなんだ」と、自分を責めてしまう。

こうした経験がある方は、決して少なくありません。

比較してしまうのは「性格」ではない

まずお伝えしたいのは、人と比べてしまうこと自体は、問題ではないということです。

多くの方が、

「比べないようにしなきゃ」

「ポジティブに考えなきゃ」

と思います。

けれど、無理にそうしようとすると、かえって苦しくなることもあります。

なぜなら、この「比較してしまう状態」は、単なる性格ではなく、今の心身の状態が影響していることが多いからです。

同じ人でも、状態によって全く変わる

実際に、心や体が安定しているときには、同じ状況でも気にならないことがあります。

誰かの成功を見ても、「すごいな」と思える。

それが、少し疲れているときや、余裕がないときには、

「どうして自分はできないんだろう」

「自分だけ取り残されている気がする」

という受け取り方に変わる。

つまり、比較してしまうかどうかは、その人の性格ではなく、そのときの状態に大きく左右されるのです。

「こんな自分はダメ」と思うほど苦しくなる

ここで多くの方がやってしまうのが、比較している自分を否定することです。

「こんなふうに思うなんてダメだ」

「もっと前向きにならないと」

けれどこのとき、すでに心身のバランスが崩れている状態に、さらに負担をかけてしまっています。

また、無理にポジティブになろうとすることも、同じように負担になります。

気持ちが追いついていない状態で、考え方だけを変えようとしても、どこかに無理が生まれてしまうからです。

比較は「状態のサイン」

では、どう捉えればいいのでしょうか。

ここで大切なのは、比較している自分を“状態のサイン”として見ることです。

「また比べてしまった」ではなく、「今は少し余裕がなくなっている状態なんだな」と捉える。

これは、自分を甘やかすことではなく、今の自分のコンディションを把握することです。

自分に還して考える

そしてもう一つ大切なのが、比較を“自分に還して考える”ことです。

たとえば、「あの人が羨ましい」と感じたとき。そのまま「自分はダメだ」と終わらせるのではなく、

・なぜそう感じたのか

・自分は本当にそれを望んでいるのか

を少しだけ見てみる。

もし、「本当に欲しい」と思うのであれば、そこに向けてできることを考えてみる。逆に、よく考えたらそこまで望んでいないのであれば、「自分には必要ないものだった」と気づくこともあります。

こうして整理していくことで、比較は、自分を責める材料ではなく、自分を知るきっかけに変わっていきます。

つらいときは、まずケアを

ただし、比較が強くなりすぎているときは、無理に考えようとしなくても大丈夫です。

その状態は、すでに心や体に負担がかかっているサインでもあります。

そんなときは、

少し休む

少し距離を取る

少し整える

まずは自分の状態を戻すことを優先してみてください。

最後に

人と比べてしまうとき、それはあなたの性格の問題ではなく、今の状態を教えてくれているサインかもしれません。だからこそ、無理にやめようとするのではなく、「今の自分はどういう状態なんだろう」と少し立ち止まって見てみる。

そこから、本当に必要なものが見えてくることもあります。

高本玲代

フェムテック起業家・社会活動家。自身のウツや更年期の経験から更年期女性のケアプログラム「よりそる」を立ち上げる。東京都をはじめとする自治体やポーラをはじめとする企業向けに研修を実施。NHKをはじめメディア掲載50社以上。「がんばらない更年期」についてYoutube「更年期アカデミー よりそる」で発信中。

2026-05-04T12:09:08Z