40代以降になると筋力の低下やデスクワークの増加によって、背中が丸まり、肩が前方へ巻き込まれる巻き肩に悩む女性が増えています。実は巻き肩のデメリットは、見た目の老け見えだけではありません。
解剖学的に見ると、巻き肩の状態は肩甲骨が外側に引っ張られてロックされている状態。肩甲骨が外側に固まると、連動して胸の筋肉(大胸筋など)が縮こまり、肋骨の動きが制限されてしまいます。
肋骨の中には呼吸をコントロールする肺や横隔膜があります。胸がガチガチに固まることで一度の呼吸で吸える酸素の量が減り、結果として浅く速い呼吸になってしまうのです。そして、呼吸が浅くなると自律神経のバランスが乱れ、慢性的な肩こりや寝ても取れない疲労感を引き起こす原因になります。
巻き肩を緩和するためにおすすめしたいのが意図的に胸を開く動きをすること。外側に開いた肩甲骨を本来の正しい位置(内側)へとリセットし、縮んだ前胸部をストレッチします。胸を開く動きを行うことで期待できる嬉しい効果として、
胸まわりのスペースが広がることで、無理なく深い深呼吸ができるようになります。また、酸素が全身に巡りやすく、自律神経のバランスが整いやすくなります。
外側に引っ張られ続けて悲鳴を上げていた背中の筋肉が緩み、肩や首の緊張がスッと抜けていきます。
胸がしっかりと開くことでデコルテラインが綺麗に見え、40代女性が気になりがちな「背中やブラのハミ肉」のすっきり感にも繋がります。
※エクササイズの最中に、めまいがしたり、息苦しさを感じたりした場合は、すぐに中止して楽な姿勢に戻ってください。
<やり方>
1)まずは姿勢を正し、両手を背中の後ろで楽に組みます。
2)息を吐きながら、外側に開いた左右の肩甲骨を、背中の中心に向かってギュッと引き寄せます。この時、胸の前の筋肉がじんわりと伸びているのを感じましょう。
3)肩甲骨を内側に寄せた状態をキープしたまま、顎を天井に向けるようにして、ゆっくりと頭を後ろに倒していきます。首を痛めないよう、ガクンと倒さずに心地よいところまでで止めましょう。
4)胸が一番広がっている状態のまま、鼻から吸って、口から細く長く吐く呼吸を数回繰り返します。息を吸う時、胸のスペースがさらに広がるイメージで呼吸しましょう。
5)首に負担をかけないよう、ゆっくりと丁寧な動作で頭を元の位置に戻し、最後に手の力を抜いてリラックスします。
エクササイズの後、胸のあたりがポカポカ温かくなった、いつもより息が吸いやすくなったという感覚があれば、しっかり胸が開けている証拠です。
呼吸は、私たちが思っている以上に姿勢の影響を大きく受けています。「最近疲れやすいな」「息が浅いな」と感じたら、深呼吸をする前に、今回ご紹介したエクササイズを行なって、空気を吸い込むためのスペースを先に作ってあげましょう。
激しい運動をしなくても、一日1回、胸を開いてリセットするだけで、体は確実に変わっていきます。家事や仕事の合間のスキマ時間に、心地よいリフレッシュ習慣としてぜひ取り入れてみてくださいね。
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shizuka
呼吸器・内科領域で17年、呼吸理学療法に従事。呼吸療法認定士/ヨガ指導者資格保有。医療現場で培った「呼吸・姿勢・体の使い方」の視点から、吐く呼吸×自律神経ケアを発信。忙しさや環境変化で乱れやすい自律神経を整え、30代からの「土台」づくり、40代からの「休む力」づくりをサポートします。
2026-09-01T10:09:15Z